ボビーズ日記

絵本作家になりたい2人組ボビーズの落選日記

円形ハゲ体験の恐怖

忘れもしない2015年夏、暑さのせいか、仕事が忙しかったからか、ある日 気がつくと頭に4つも円形ハゲが出来ていました。人生初の円形ハゲに、かなりショックで、何か底知れぬ恐怖みたいなのを感じました。でも周りの人に聞いてみると、意外にも円形ハゲ経験者は少なくないようで、その事にも驚きました。そう言えば、うちのボビーにも まあるいおハゲが出来たことがあったなぁ と思い出して 2016年「毛はえ藥」を描き上げました。ストレスを抱えている子供たちが、これを読んで少しでも笑ってくれたら嬉しいです。どうぞ読んでください。

f:id:takashimari:20181006013949j:plain最近 ボビーは、お姉さんに帽子をかぶせてもらいます。急にオシャレになったからではありません。実は…

f:id:takashimari:20181006014544j:plainボビーの頭に、まあるい おハゲが出来てしまったのです。ボビーの元気がないので、メグは心配で仕方ありません。そうだ、友だちのヘケニャに相談してみよう。

 

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メグは、背伸びをして天井裏に住んでいるネズミのヘケニャを呼びました。

f:id:takashimari:20181006023406j:plain「ハゲくらいで、そんなにクヨクヨするなよ。」ヘケニャは言いました。「でも ぼく心配なんだ。ココちゃんの おじさんみたいになったら どうしよう。」

f:id:takashimari:20181006023906j:plain隣の おじさんは、本当にりっぱなハゲなのです。「でも大丈夫だよ。ほら おじさんは、とっても幸せそうだよ」とヘケニャは言いました。「うん そうだね」

f:id:takashimari:20181006024448j:plain「そうだ、おいらが毛はえ藥を作ってみるよ。確か馬ふんを天日干しにして…」

馬ふんだって!?ボビーは慌てて言いました。「いいよ いいよ。馬ふんは遠慮しておくよ」

f:id:takashimari:20181006025453j:plainその日お姉さんは、ボビーを動物病院へ連れて行きました。(ぼく病院は好きじゃないよ。注射とかだったらイヤだな。)

f:id:takashimari:20181006025915j:plainお医者さんは、色々検査をして言いました。「夏バテでしょう。心配はいりませんよ。お薬を出しておきますね。

f:id:takashimari:20181006030237j:plain「そうか夏バテかあ。じゃあ おいらが夏バテに効く薬を作ってあげるよ。確かトカゲのしっぽを塩ずけにして…」トカゲのしっぽだって!?ボビーは慌てて言いました。「いいよ いいよ。病院でもらった薬を飲まなくちゃいけないんだよ。だから トカゲのしっぽは遠慮しておくよ。」

f:id:takashimari:20181006030900j:plainしばらくすると、ボビーの おハゲは、すっかり治りました。良かったね、ボビー。

f:id:takashimari:20181006031118j:plainボビーは思いました。おじさん ごめんなさい。ぼくはやっぱり、まだハゲたくありませんでした。だって、ぼくはまだ子供なのですから。でも大人になったときには、おじさんのように、ハゲの似合う幸せな大人になりたいと思います。

f:id:takashimari:20181006031648j:plainその頃、天井裏のヘケニャの仕事場では、毛はえ藥の研究が進んでおりました。

f:id:takashimari:20181006031900j:plainある日 ヘケニャが、嬉しそうにやってきました。「ボビー、毛はえ藥が完成したんだ。ココちゃんの おじさんの頭に毎晩ぬったんだよ。そしたら黒い毛が一本生えてきたんだ。毎晩毎晩ぬったんだよ。」

f:id:takashimari:20181006032406j:plain「ありがとう ヘケニャ。でも 治ったんだよ、ほらっ。」「ホントだ、治ってる。良かったなあ ボビー。」

f:id:takashimari:20181006032741j:plainボビーはココちゃんに教えてあげました。「おじさんのこの黒い一本の毛はね、ヘケニャが作った毛はえ藥をぬったら、生えてきたんだよ。」「すごいなぁ、ヘケニャは毛はえ藥も作れるんだ。でも、なんだか…ちょっと 臭いのよね。」

「うん、だって  馬ふんだもん。」とボビーは答えました。

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