ボビーズ日記

絵本作家になりたい2人組ボビーズの落選日記

絵本作家になりたい2人組ボビーズ

絵本作家を目指して8年前からコンテストに挑戦しています。落選した作品が増えてきて、このままお蔵入りではもったいないので、誰かに読んでもらいたいと思います。2015年講談社絵本新人賞に応募して落選した作品「モナリザさんのリフレッシュ」です。どうぞ読んでくださいね。

f:id:takashimari:20180919033105j:plain昔の天才と呼ばれた人の中には、とんでもない作品を生み出した人がいる。そう、それはレオナルド・ダ・ビンチ。彼の最高傑作モナリザ。その微笑みは今もなお謎につつまれたまま。

f:id:takashimari:20180919034528j:plainここは美術館です。ある日の休館日2人の職員が作品の点検をしています。「最近モナリザの様子が変なんだよ。顔色が悪いと言うか」「モナリザは先月、クリーニングしました。」

f:id:takashimari:20180920043509j:plain「そうか、じゃあ照明のせいかな?」「違うのよ」と誰かの声がして…

f:id:takashimari:20180920044120j:plain二人はびっくりしました。振り向くとモナリザさんでした。

f:id:takashimari:20180920044404j:plain「そりゃあね、この顔で有名になったのだから気に入ってはいるのよ。でもね、一度でいいから思いっきり笑ってみたくなってしまったの。だってひどいのよ、レオナルドったら…」そう言ってモナリザさんは、昔の話を始めました。どうやらレオナルド・ダ・ビンチがモナリザを描いている時のようです。

「帽子、洗濯したら、縮んでしまったのじゃ。気に入っていたのに。」

f:id:takashimari:20180920050518j:plainなにあれ 帽子?

f:id:takashimari:20180920050758j:plain絶対に笑っては        いけないの          わたしはモデル          なのだから

f:id:takashimari:20180920051323j:plainずっと笑いたいのを我慢してきたモナリザさん。どうやらリフレッシュが必要のようです。みんなで相談して、次の休館日 モナリザさんを遊園地に連れ出すことにしました。

f:id:takashimari:20180920052100j:plainモナリザさんのために洋服と靴も用意しました。

「まあ、違います違います モナリザさん、それはケープではなくてスカートですよ。」無事に着替えがおわったら、いよいよ遊園地へ出発です。

f:id:takashimari:20180920052824j:plainモナリザさんは色々な乗り物に乗って遊びました。

f:id:takashimari:20180920053038j:plain夜には落語も楽しみました。モナリザさんは今日一日、とてもたくさん笑いました。

f:id:takashimari:20180920053404j:plainそして満足したモナリザさんは、絵の中に帰っていきました。

f:id:takashimari:20180920053721j:plainところが、それからというもの モナリザさんは時々、職員を呼び止めては「ねえ ねえ、またちょっとだけ笑わせて、ちょっとだけでいいのよ。」と言うのです。

f:id:takashimari:20180920054402j:plainですから、みんなであれこれ考えるのが、少しだけ大変だったりします。

f:id:takashimari:20180920054657j:plain美術館のお仕事は、とても大変です。休館日でも休んではいられません。でもなんだか楽しそうですね。

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